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EC5コネクターの装着方法について知らない人が多いようなので、順番に説明させていただきます。写真のようにきれいに装着されているのは見ていても気持ちがいいし、実際がっちりコネクターとハウジングがおさまっていて抜けることもありません。
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まずハウジングとゴールドコネクターを並べてみてください。ハウジングの穴の径が大きいほうと小さいがあることに気が付きます。写真のように右の大きいほうにはオスコネクターが、左の小さいほうにはメスコネクターが装着されます。なおEC5の名前が表しているようにゴールドコネクターのサイズは5ミリです。連続で60A、バースト200Aを誇る大電流用コネクターです。

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またハウジングのボディーには極性が刻印されています。プラスと刻印されているのはハウジングの角ばったほうになります。写真では共に中央にあります。これらのプラス部に赤のプラスケーブルが装着されることになります。

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ちょうどXT90のメスコネクター装着されたケーブルがありましたのでこれにEC5オスコネクターを装着して変換ケーブルを作ってみようと思います。ケーブルはAWG10です。

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ケーブルの被覆をケーブルストリッパーで5ミリくらい剥がし、中の撚り線を指で束ねます。さらにフラックスを塗ります。フラックスを塗っておくと食いつきと浸み込み具合が違ってきます。まずはんだごてを撚り線の先に充てて加熱します。十分に加熱されていれば糸はんだの先を付けるととろけるように撚り線に浸み込んでいきます。指でケーブルを持っているともっていられなくなるくらい熱くなりますので写真のような治具が必要になります。こうして十分にはんだをしみこませることが第一歩です。

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次にオスコネクターにやはりフラックスを塗り、同じようにコネクターをはんだごてで加熱します。十分に加熱されてら糸はんだをコネクターの穴部分に入れます。はんだごてはもちろんコネクターにつけて過熱を続けてください。はんだの量は多すぎてもいけませんが少なすぎても難しいです。この辺は何度もやっていく中で身についてくると思います。この状態で先ほどのケーブルを穴に差し入れます。穴の中のはんだとコネクターの熱で、撚り線に浸み込んでいたはんだが再び溶け出し、混然一体となって穴の中にケーブルの先が溶け込んでいきます。垂直に入っていることを確認して、はんだごてを外し、息をかけて冷まします。がっちり固着されたことを確認するためにラジオペンチなどでコネクターを引っ張ってみます。強く引っ張っても抜けてこないことを確認してください。

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今回の場合、はんだ量がわずかに多かったようで、外にはみ出してしまいました。このはみ出しはEC5のハウジングに装着するときにじゃまになります。はんだごてで熱して取ろうとしても取れるものではありません。やればやるほど付着面積が増えてゆきまずい結果になります。そこでこういった場合には、はんだの吸い取りリボンが役に立ちます。


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下のほうにくるくる巻かれたものがはんだの吸い取りリボンです。これを適当な長さにカットしてラジペンを持ちながらはみ出たはんだ部分に接触させ、その上からはんだを当てて加熱すると溶けたはんだがこの吸い取りリボンに吸い込まれてゆきます。この作業をしておけばハウジングの装着は問題なくなります。

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同じ作業をマイナスケーブルにも行います。きれいに装着されているのがお分かりと思います。

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ハウジングはこのように装着されます。決してはんだの前にケーブルに通しておかないでください。
コネクターをはんだ付けしてから青いハウジングを装着します。角張ったほうがプラスであることを確認してください。

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先の細いマイナスドライバーで、ゴールドコネクターの肩部分を押して少し中へ入れます。これだけでは
ハウジング内部にある段差部分までコネクターの突起部を押し込むことはできません。

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そこでドライバーの頭をハンマーでたたき、カツンとその段差に止まるまでたたきます。写真にあるようにあまり衝撃のないVesselの樹脂ヘッドハンマーを使いました。両方ともきれいに収まるよう、少しづつたたいていくと写真のようにきれいに入ります。

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表側から確認して両方のコネクターが同じくらいの高さになっているか、またほぼセンターにあるかなどを確認します。ほぼOKなのでこれで叩き込みは終了、EC5オスコネクターの完成です。ところでEC5のメスコネクターも同じ要領ではんだ付け、叩き込みを行うことができます。

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サンプルとして作った変換ケーブルです。EC5が装着されているバッテリーをXT90のコネクターに変換できます。あるいはXT90が装着されているアンプのケーブルをEC5のコネクターに変換できます。