電気用品安全法、いわゆるPSEというマークを承認を受けて貼付しないと販売することはだめですよということがあるのはご存知かと思います。おもに100Vに接続する機器類はすべてこの法律の対象になっています。そのため厳密にはみなさんが使っているAC100Vに直接接続して使用する充電器や安定化電源などもその対象になっています。

さらに平成20年11月からAC100V接続機器以外にもいろいろな電気関連機器がその対象として加えられました。その中にリチウム蓄電池も加えられました!!やられたとほんとに思いましたが但し書きにそれ以前に生産されたものや輸入されたものはその規制対象外とされていたので、その時点ではまあまあいいじゃないかということでうやむやにしてきたのです。しかし・・・・!!
あれから3年近くなり、このままではいかんということで今回再度法律で定められていることをよく調べてみることにしました。

この電気用品安全法の別表二に定められているリチウムイオン蓄電池について、規制対象は「単電池1個当たりの体積エネルギー密度が400ワット時毎リットル以上のものに限る」となっておりさらに自動車用、原動機付自転車、医療用・産業用機械器具用のもの、ならびにはんだ付け等により容易に取り外せない状態で機械器具に固定して用いられるものなどは除くとなっています。

つまり細かいことを外して考えるとリポやりフェの場合でも単セルのエネルギー密度が1リッター(1000立方センチメートル)あたり400ワット以上なら適合試験を受けて認証をとってくださいねということなのです。

またラジコン用に使われるものはすぐに取り外しやすいですし、上記のエネルギー密度を超えると規制の対象になりそうです。400ワット/1リッターというエネルギー密度はどのくらいのものか不明ではありましたが、私たちが輸入したり販売しているものは現在Cレートが高く当然ながらこれにひっかかるものと思っていました。

ところが計算してみるとこれが意外に低く、ちょっとがっかりします。たとえば連続70Cを誇る最新のハイレートリポ3.7V6000mAhではワット数は22.2Wh(3.7V*6Ah)になります。ちなみにこのサイズを調べてみると幅44mm、長さ125mm、厚さ11mmです。ということは体積は60.5立方センチメートル(4.4*12.5*1.1)になります。さてこれを体積1000立方センチメートルに引きなおしてみると

22.2Wh/60.5*1000=366.94ワット/1リットルということになり残念ながら400ワットは超えません。ましてこれより低いレートのものは300ワットすら行かず、いろいろなセルを調べてみると現在私たちがラジコン用に使っているものは200ワット前後のものが多いことが分かりました。皆さんもぜひ調べてみてください。

本件に関して電気用品安全法を所轄しているJET(財団法人電気安全環境研究所)にこの計算で正しいのかどうか確認してみたところ全くただしく「その通りで間違いありません、規制の対象ではありません」という”悲しい”答えが返ってきました。

そうなのか、そういうことであれば過激なラジコン界で使われているものですら対象にならないのだからまして安全を第一に考える産業界で使われているリチウムイオン電池は、勝負にならないであろうとタカをくくっていました。

しかし調べてみてこれがまた驚きなのです。たとえばおそらくありとあらゆるといってもいいくらいハンディ機器、ノートパソコンや電動工具などに使われている超有名な18650(サイズが直径18弌長さが65个覆里任海Ω討个譴討い襦砲箸いΕ轡螢鵐澄璽織ぅ廚離螢船Ε爛丱奪謄蝓爾両豺隋△弔だ茲瓦蹈僖淵愁縫奪、サンヨー、ソニーが量産を開始した3.7V4000mAhタイプは一個当たりのエネルギー量は14.8ワット(3.7V*4Ah)、その体積はたったの16.54立方センチメートル(0.9*0.9*3.1417*6.5cm)なので1リットルに引きなおしてみるとなんと894.8ワットもあるのです!!ヒエ〜〜〜〜!!

14.8/16.54*1000=894.8

産業界を侮ってはいけません!!この高エネルギー密度をもつ18650を631個も積んであのスポーツカー、テスラが走っているのです。

う〜〜〜ん、しかしここで産業界に負けたなんて、ラジコン界は甘いんだと思ってしまったら間違いなのです。この18650は正極の材料にニッケル系の金属を使っています。一般にニッケルやコバルト系リチウムはエネルギー密度をあげるのには優れていますが、出力はあまり高くないといわれています。これに引き換えラジコン用はマンガン系の金属を正極に用いてエネルギー密度は低いが出力命でデザインされているのです。

つまり産業界では出力は低くても長く使用できるようエネルギー密度を上げ(このことは危険も孕むが)ることが第一義的に求められているようです。これに対してラジコン界では長い時間は使用しないのでエネルギー密度は低くてもいいが、短時間の高出力が求められています。この目的の違いにより求められるバッテリーが違ってくるというわけです。

最近はソニーなどを含め各社から両者のいいところ悪いところを補うというか妥協する形で正極の材料にニッケル、コバルト、マンガンの複合材料を用いたNCMというタイプのリチウムバッテリーも市場に出ています。

いずれにしましてもこれからもラジコン界では軽くてさらに短時間の出力アップを目指すと思いますので400ワット/1リットルの壁を超える日はあまり近いとは言えません。そんな意味でこのPSEの対象になることはあまり考えにくいかもしれません。それはそれで一人前に見られていないようで淋しい気もしますね。