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Lexi Modelというところの世にも珍しい?ダクテットファングライダーGLIDER-EDF の製作です。(主翼の上にEDFを別途取り付けたものはあるにはあるが、これは胴体にダクトが組み込まれる構造です)
機体はARFで主翼が中央での2分割バルサシャーレ、カーボン丸棒のかんざし、胴体がFRP+カーボンパイプのテールブーム、
尾翼はバルサフィルム張りのV尾翼という非常にユニークなものです。

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\説明書にしたがい、まず主翼から作ります。エルロンサーボの取り付け部分は穴の位置が表面に薄く線が書かれているだけですが説明書によるとカッターで切っている写真が載っています。試しに普通のカッターで切りつけてみると表面のFRPが非常に薄いため、けがき線に沿って数回なぞれば、いとも簡単に切り込んでいけます。

01sコツはあらかじめカッターの刃先を折っておいて、切先が良く切れる状態にしておくことです。シャーレとはいえリューターでゴリゴリやって
チクチクの粉だらけにならずにすみます。





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なおプランクのバルサはシャーレになっていますので裏面にも表面同様薄いFRPが張られていますが、カッターで切る際は少し手ごたえがあるものの刃先を切れる状態にしておけば簡単に切り取ることができます。

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グライダーの薄い主翼にサーボを寝かせて取り付けるのは毎回悩ましいところですが、今回はJRのES375サーボを耳切りしてシュリンクチューブでくるんで接着することにしました。

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主翼に引かれてあるサーボ取り付け穴の線に沿って切り取ればほぼぴったり375サーボのサイズになります。

シュリンクチューブはいろいろありますがカー用のニッカドパック用のものが薄手でいいです。
薄手のシュリンクチューブと375サーボの組み合わせでサーボと主翼下面がちょうど面一になります。


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次にエルロンホーンを取り付けます。キットにはエルロンホーンが入っているのでこれを使っても良いのですが、割と背が高めです。
この機体は低翼なので着陸の際のリンケージ保護のためサーボカバーを付けてリンケージを保護したいところなので少し背の低い手持ちのFRPのエルロンホーンに変えました。
サーボカバーを付けなければキットの物でもOKです。エルロンは主翼同様バルサシャーレですが主翼と違いムクのバルサなので少し穴を掘る手間がかかりますがカッターで掘ることは主翼同様簡単です。エルロンはいわゆるエラスティックヒンジとなっていますので主翼上面は継ぎ目のないスムースな状態となります。

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またリンケージロッドはキット付属のZ形に曲げたピアノ線と、別にキット入っているまっすぐなピアノ線をキット付属の細いシュリンクチューブで接いで使うようになっていますがここは市販の細いロッドアジャスターの方が簡単です。

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今回はクイックロックワッシャーというものを使いましたが通常のストッパーでもOKです。

サーボリードは400mm程度のもの2本と200mm程度のもの2本が必要です。サーボと400mmのリードをつないで抜け止にシュリンクチューブで固定します。

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シュリンクチューブはテトラのバルサロッド用を使いました。主翼はシャーレ構造なのでリブはないためリードはわりとすんなり通せます。
胴体側へのリードの出口も主翼上面にすでに開けられています。

ダクテットファンの組み立てまず仮組みしてみると付属のモーターのシャフトが長すぎるためファンがダクトから前に飛び出してしまいますのでシャフトを7mmほど切断しました。
その後モーターをダクトに取り付けさらにファンを取付けダクト内側が当たっていないか確認します。当たっている場合は当たらなくなるまでファンブレード先端を削ります。
当然のことながらファンのバランスを考慮しなければならないため、ファンとモーターを取り付けた状態で紙やすりをダクト内の当たる部分とファン先端間に挟みこむようにあてがいファンを手で回して均等に削れるようにします。
こうすることで網やすりの厚さ分の隙間でクリアランスをとることができます。
一般的にダクテットファンのダクトは思ったよりたわみやすいのでファンとの干渉を確認する場合や削る場合もなるべく軽く持って確認する方がいいでしょう。
ファンの胴体の取付けはリンケージ後のほうがやりやすいと思います。


胴体
このキットの最大の山場です。ファンからアンプへの配線はファン取付け部直後の胴体上面(ダクト内)に穴を開けそこから胴体前方へ向かうよう配線されます。

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胴体後半はダクトを収容するために大きくへこんでいますので胴体内部の前方に向かう部分の隙間は非常に狭くなっています。

さらにあろう事か主翼取り付け用の爪付きナットがベニヤ板とともに一番狭くなっているところに接着されており尾翼からのリンケージ用のカーボンロッド以上の太さの物は通りそうもありません。
説明書もその辺の事についてはまったく言及されていません。

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そこで仕方なく胴体下面(主翼取付け部分)を必要最小限切り取ることにしました。

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上の写真は補強用のベニヤの断面です。
この写真でわかるようにモーターへの配線、尾翼へのリンケージ、エルロンサーボへの配線でいっぱいいっぱいです。

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実際には低翼機なので主翼取付け用の爪付きナットには引張り方向の大きな力はかからないので上の写真の点線で示したように切取ってしまう方がいいと思います。
尾翼リンケージ用のカーボンロッドをテール側から差込み前側に引き出しスチールロッド(ロッドアジャスターの切れ端し)を継ぎ足しますが、
前述のように胴体内の一番狭いところでは他の配線などの隙間を通ることになりますので、干渉を防ぐためあらかじめロッドにパイプを通しておいた方がいいかもしれません。

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約1cmほど重なるようにして重なる部分にエポキシを薄く塗りキット付属のシュリンクチューブをかぶせ収縮させます。

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尾翼用のサーボはロッドの取り回しの関係上逆さまにとりつける必要があります。したがってサーボホーンのロッドコネクターも逆さまに取り付けます。
胴体内にはサーボ取付け用のバルサのフレームがあらかじめ接着されていますがこれも375サーボを耳切りして接着する場合はほぼぴったり合います。

尾翼
V尾翼ですがすでにあらかじめV字に接着されています。これに胴体取付け用のFRP部品を取付けます。FRP部品のリング状の部分がテールブーム後端部分にはまるようになっていますのでアライメントをあわせるため
ブーム後端にFRP部品を差し込んでおいてそれに尾翼を差込み瞬間でFRP部品と尾翼を点付けで仮組みしブームからいったん取り外してしっかり接着します。ブームに取付けたままだとブームごと接着していまう可能性があります。
その後主翼を胴体に取り付け尾翼を差し込んで主翼と尾翼の取付け角を確認し接着します。その際FRP部品の尾翼後縁側が胴体ブーム後端ぎりぎりになるように接着します。(説明書4P左上の写真)

尾翼のリンケージ
説明書によれば尾翼のホーンは舵面の端に舵面に対して垂直に接着するようになっていますが(説明書4P左上から3番目の写真)V尾翼のためそのままだとホーンがハの字に開いた形になります。(説明書4P右上から3番目の写真)
そのためリンケージロッドが撓んだ形になってしまいロッド動きが渋くなります。

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そこで舵面の端面を斜めに切り落としホーンが垂直に取り付くようにしました。ついでにV尾翼独特のホーンの動きに対処すべくボールリンクにしました。
このようにする場合ボール同士が当たらない間隔になるような切り取り幅にしますがあまり間隔をあけすぎるとオリジナルと同様ロッドが撓むことになるので気をつけます。

 

飛行
重心位置は2100mAH 3セルのリポを搭載した状態でさらに機首に30gの重りを積んでも微妙に後ろ気味です。(かんざしの後ろ1cmくらい)
モーターはこの組み合わせで30Aぐらい流れます。ダクテットファンなので全開では結構派手な音がしますが、初飛行時に手投げをお願いした小林さんが首を傾げるくらいの推力しかありません。
飛ばないほどではないのでままよとばかりに投げてもらうと案の定非常に「ジェントル」な上昇です。失速特性は意外に良く上昇時の苦しい姿勢でもいきなりきりもみに入るような挙動はありません。またさすがコンポジット機なので主翼の狂いもなくほとんどトリム調整は不要でした。
上空に上げモーターを止めての滑空はコンポジット機らしい機速に乗った抗力の少なそうな飛びです。ダクテットファンなのですがダクトを覆うカバーの整流効果もあるらしくダイブしたときの風きり音も静かです。コンポジット機特有のヒューンという音を期待したのですがそれもないくらいでした。
着陸は重心が後ろ気味だったこともありますが意外なほどフレアがかかります。両エルロン跳ね上げによるスポイラーも不要なくらいでした。

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