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今ではたくさんのメーカーからEDF機が出されていますが、6年ほど前にリリースされたチェコのアルファモデルのフッケバインミグ15セイバーなどはEDF草分けの機体であったのを記憶されている方も多いだろうと思います。当時一般的にはダクテッドファンといえば地上からの離陸などは望めず、やむなくバンジーなどでのテイクオフを行っていました。手投げはもちろんのこと地上からの滑走離陸など夢のまた夢だったのです。そんな時代にリリースされたアルファのミグ15は手投げはもちろんのこと、土の上でも芝生の上でもまたアスファルトの上からでも滑りながら離陸していく衝撃のデビューをしました。リポとブラシレスの出現により、キーンという独特のサウンドを残して時速100kmをはるかに超えるスピードで飛び去る姿に驚きとともにしばし酔いしれたものです。このことに端を発したかのように、雨後のたけのこのように各社からEDF機が出現しました。まさにアルファモデルがEDF機の口火を切ったといっても過言ではないと思います。そのEDFの元祖アルファモデルからこのたびニューモデル、F-16がリリースされましたので、早速製作に取り掛かりました。カラーは写真のイエロー・ブルーバージョングレーバージョンがあります。グレーも実際に見ると凄みがあります。今回は輸入時に箱が壊れていてさらに若干の押されで主翼にしわがあったイエローバージョンを作ることにしました。

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今回もアルファモデル純正のEDF60/25M(別売)を使用しました。60/15との差はブレードが3枚なのか5枚なのかということだけなのですが、消費電流も多くなるとはいえ約2倍の出力が得られるのです。モーターは机の中に寝ていたModel MotorsのMini AC1215/12(KV約4750)を使いました。直径が24mm以下で、モーターの取り付けネジピッチが16mmならほかのモーターでももちろん使用可能です。KV値もここまで高くなくとも3700から4000くらいで十分なスピードが得られると思います。MiniAC1215/16やHackerのB20-22SB20-12Lなども完全に使用可能です。ケーブルを3本半田付けしました。折り返して取り出すので一本18センチ位の長さが必要になります。

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モーターの固定は直径2.5mmネジ(MiniACは2.5mmなのです)で首下長さ8mmのものを使っています。本当はボタンかキャップネジがよかったのですがあいにく手元にはサラネジしかなかったのでワッシャーを入れて固定しています。

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ケーブルを通して整流フィンを固定します。一応瞬間で点付けしました。

ファンブレードの取り付けですが、モーターシャフト径が2.3mmなので付属のアダプターは使えません。別売の2.3mm用アダプターを使っています。小さなポリチューブに入れられた緑色の液体(ロックタイト)をモーターシャフトに塗り、アダプターを差し込みます。後はファンを差し込んでネジ止めし、半球のキャップをはめ込みます。このロックタイトは30分ほどで全く取れなくなりますが、実用強度に達するには6時間ほどかかります。なおキャップは接着しなくても大丈夫ですが、念のため瞬間で点付けしてください。またファンブレードは絶対にダクトの内側に当たらないように紙やすり等で削って0.5−1mmのクリアランスを確保するようにしてください。

この状態でモーター回転方向やワッツアップなどで電流値をチェックするためにEDFを何かに固定して計測してください。実は3セルなら25A程度のアンプで大丈夫だろうと思って実際にモーターを回してみるとなんと送信機のスティックが60%くらいのところで既に23Aも流れることが判明!!あわてて33AのSPIN33を使うことにしました。フルハイで約30Aちょっとなので何とか大丈夫でしょう。ということは330Wくらいの出力ということになりますね!!部屋の中でテストするときは何があってもいいように覚悟を決めて行いましょう。この小ささで330Wはかなりの衝撃です。またアンプとモーターケーブルの接続は、正しい方向でモーターが回ることが確認できたらはずす前に忘れないように何かで印をつけておいてください

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胴体後部に挿入されている透明のダクトチューブを胴体から取り出し、EDF後方に差し込みます。(この方法に気が付くまでやや1時間くらい悩みました。)透明のダクトチューブにスリットがありますのでそこからモーターケーブル3本を手前に引き出しておきます。そしてテープで固定します。この透明のダクトチューブもセロテープなどでEDFと固定しておいたほうがいいです。

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ところで左右に主翼スパーのつけられた胴枠はどのように胴体に入れればいいのでしょうか?これも少し悩みました。この胴枠にはEDFユニットが装着されるのです。そして胴体のどの位置に固定すべきなのかこれもしばし悩みましたが、イラストの図をじっくり眺めているうちにひらめきました。もちろんEDFをつけてしまっては入れられないのでこの胴枠を単独で胴体に入れそれからEDFユニットを搭載しなくてはならないことは明らかです。そこで写真のように主翼用の隙間からこの胴枠を横にして差し込み、胴体のなかで回転させればいいことが判明!!この時点でうれしくて泣きました。

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しかしこの期に及んでこの胴枠をどこで固定すればいいのか第3の疑問がポップアップ!!でもよく見ると差し込んだ隙間の後ろ40%くらいのところにバルサでストッパーのようなものが接着されていたのでおそらくここまでかなと想像して差し入れてみました。このような状態まで少しづつ押し込みます。

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その結果、胴体下の開口部から見るとこのような状態になります。2本のエレベーター用リンケージケーブルがこのような位置になるように胴枠を押し込みます。ただしエレベーターリンケージケーブルをあまり胴枠で押し付けないようにしてください。(実際にはこの写真の胴枠の右上部分を少し削って無理に押さないようにしました。エレベーターリンケージが終わったらケーブルのアウターチューブを胴体に接着します。)なおこの時点では絶対に胴枠を接着しないでください。またこの開口部に取り付けるエアーインテイクを仮に差し込んでみてください。胴枠とインテークとの位置関係がうまくセットできるか確認してください。もちろんまだなにも接着はしないでください。

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続いてさっき作った透明のダクトチューブとEDFのセットをこの開口部から差し込みます。若干抵抗がありますが、だましだまし入れてみます。モーターケーブルは手前に出したままにして差し込んでください。

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うまく押し込むとこの写真のようになります。胴枠の上の穴から3本のモーターケーブルが出ているのを確認してください。またEDFを胴枠に取り付けるための印が胴枠についていますのでそれに位置を合わせるようにしてください。だめだったら何度でもやり直せるので引っ張り出しては位置を合わせてください。うまくいくようでしたらネジ止めします。もちろんまだ胴枠は接着しないでください。

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ネジ止めはこのように行いますが、胴枠やEDFを胴体に入れる前に胴枠にEDFをはめ込んでマークされた位置に仮のネジ止めを行ってください。そうやっておかないとマークされた下穴が小さすぎて胴体にはめ込んでからだとネジの締め込みに力が入り結果として胴枠をドライバーで押し付けることとなり、胴体を傷つけかねません。あまりゆるゆるになるまで下穴を大きくすることはいけませんがほどほどに癖をつけておく必要があります。いずれにせよまだ胴枠を接着していないので何度でもやり直しがききますので納得行くまで確認してください。エアインテイクをはめ込んでうまくEDFの口にあうかなど実際に私も何度も胴枠やEDFを取り出しては確認しました。

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続いてエレベーターサーボの取り付けです。ここではJRのES375というマイクロサーボを使いました。ロッドホルダーを取り付けるホーンの穴位置はホーンセンターから10mmになるようにします。ロッドホルダーは付属のものではなくゆるみのこないLBマイクロ・コントロールロッドホルダーを使いました。またホーンの穴あけには非常に便利なHobbicoサーボホーンドリルを使いました。最初は少しきつめですがしばらくするとちょうどいい動きになります。なおサーボの固定は胴体横のバルサ板に直接、高粘度の瞬間接着剤UFOで接着しました。まだエレベーターを取り付けていないのでロッドの固定は仮止めにしておきます。

ところでこのUFOという瞬間接着剤は発泡スチロール用のものですが、非常に使いやすいです。発泡スチロール用の瞬間といってもなににでも使えるということをご存知でしたか?また発泡に向いているということで瞬間といえどもスロー硬化なのです。したがって若干時間に余裕があります。

ぼくはこのUFO でセブアートの機体のほとんどを作りました。カタナもそうだしエンジェルも、スホイもなにもかにも・・そういえば先日JR飛行機大会でセバスチャンがあんなにグリグリ飛ばしたミスウインド50EもUFOの高粘度瞬間低粘度瞬間、それにアルテコの促進スプレーだけで作りました。強度的に全く問題ありませんでした。常識的には瞬間は弱く、エポキシ万能といった理解ですが、2液の配合具合のよしあし、接着面の状態などによって硬化した後でもぺロッとはがれることが起こるのです。機体が墜落して残骸を集めているとランディングギア固定用の堅木をエポキシで接着したのにポロッときれいにはがれているのをみたことはありませんか?木の繊維の中までエポキシが入り込んでいないことが原因です。ドライヤーであぶって流し込むといいのですが・・・。その点、瞬間はバルサなどの繊維質の中まで入り込みます。おそらく分子構造が細かいため狭い場所に入り込むことが得意です。プラスチックなどの表面も平らなようですが、拡大すれば細かいでこぼこだらけです。この細かいでこぼこに瞬間の分子が入り込むのだと素人の浅知恵ながらそうじゃないかと思います。だからサーボはエポキシで固定するより瞬間で固定したほうがいいのです。このときは絶対に高粘度を使います。低粘度だとサーボケースの隙間から中に流れ込む恐れがありますので注意してください。話が飛んでしまいましたがとにかくこのUFO高粘度低粘度は高いけど放っておいても劣化も遅く、使い勝手抜群です。保存は瞬間接着剤用ノズルをつけっぱなしにしておけばOKです。へたにもとのキャップで閉めないでください、かえって次に使うときあかなくなります。

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胴体下の開口部から見るとこのようになります。2本のリンケージ用ピアノ線をひとまとめにしてロッドホルダーの穴に差し込んでおきます。ネジは締めないでおいてください。なおこの時点でも胴枠やエレベーター用リンケージケーブルのアウターチューブは接着しないでください。

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アンプを取り付けます。配線を間違えずに接続してください。アンプはサーボと反対側のバルサ板にマジックテープで固定します。

ところで考えてみるとこのアルファの方式だと胴枠を接着した完成後もモーターやEDFユニットの交換が簡単にできることになります。なかなかいいかもと感心してしまいました。

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次にエルロンサーボとエルロンリンケージを行います。エルロンリンケージロッドは付属のL字型のピアノ線と付属のプラスチックチューブで作ります。まず太いほうのチューブを左右のエルロン用に半分にカットします。それぞれ約26mmくらいになります。

そのチューブの左右の穴からそれぞれL字型ピアノ線を差し込みます。各ピアノ線の頭がチューブの反対側からそれぞれ少し顔を出す程度にします。その状態でそーっとエルロンホーンに片側を差込み、(穴が小さいので事前に少し大きくして置いてください。)もう片側をサーボのホーンの穴に入れます。もちろんサーボはサーボテスターでニュートラルを出してからセットします。なおサーボホーンの穴位置はサーボホーンセンターから8mmです。今回はサーボはJRのES316を使いました。そしてエルロンが正しくセットされているのを確認してサーボを主翼の上に置きます。フェルトペンなどでサーボを固定する穴の位置をマーキングします。それに従いカッターでサーボ埋め込み用の穴を開けます。穴が開いたらサーボをUFO高粘度瞬間で固定します。再度先ほど作ったリンケージロッドをサーボホーンとエルロンホーンに差込み、続いて抜け止め用に付属の細いプラスチックチューブを2mmほどの長さにカットしたものをピアノ線のL字部分の先端から差し込みます。ここもUFO高粘度で固定します。サーボ側とエルロンホーン側のピアノ線が抜けなくなったら、続いて中央のプラスチックチューブをピアノ線と固定します。サーボがニュートラル、エルロンが主翼と水平であることを確認して、今度はUFOの低粘度瞬間をプラスチックチューブの左右から少量流し込みます。毛細管現象の原理で低粘度の瞬間はあっという間にチューブとピアノ線の隙間に流れ込みまもなく固まります。硬化促進スプレーを吹いて終了です。こうしてリンケージロッドの長さを固定してしまうと何か調整ができないのではという心配は要りません、各エルロンサーボを別チャンネルにセットし、(JRのばあいだと右エルロンはエルロンチャンネル、左エルロンはAUX1にセットし、ウイングタイプでフラッペロンを選択します)それぞれのサブトリムで微調整ができます。

ところで写真のエルロンホーンが何か反対を向いているようですが、これはフラップを使うことができるようにしているためです。エルロンの通常の動きはアップ側12mm、ダウン側10mm、フラップスイッチを入れたときに左右のエルロンが同時に15mmダウン側に行くようにしてください。

そしてこの写真で気づかれたように主翼を胴体に固定するに当たり、キットのままの中央のスパー(胴枠に固定されている細長い角材)だけでは心もとなかったので、アライメントピンと補強もかねて直径4mm長さ6センチ程度のカーボンパイプを主翼の前後に接着しました。カーボンパイプでなくともなにか角材でも適当な丸棒でもいいと思います。それらを含めて接着すればおそらく主翼が外れたりすることはないと思います。この状態で左右の主翼をUFOの高粘度で接着します。サーボのリードケーブルは胴体の中に入るようにします。もちろん接着する前に左右の主翼を差し込んで、水平になっているかなどを確認します。また垂直尾翼を胴体後部に仮に差し込んで左右の主翼が同じ角度になるかを確認します。OKとなったらいよいよ接着します。スパーや主翼接着面、先ほどのカーボンパイプなどに適量のUFO高粘度をつけます。差し込んでから胴体と主翼の隙間がないように手で押さえながらちょっと待ちます。固まったところで主翼と胴体の際にUFOの低粘度を流し込みます。もしどうしてもギャップができてしまった場合にはUFOの高粘度で埋め、硬化促進スプレーを吹いて固めます。

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写真はありませんが垂直尾翼を胴体に接着してください。UFOの低粘度で隙間に流し込む程度です。念のためと思ってたくさん流すと思わぬところへ流れ出して機体が汚れてしまいますので注意が必要です。次に水平尾翼を取り付けます。水平尾翼には長いべろのようなものが付いていてそれを胴体のスリットに差し込むことになっています。接着する前に左右とも仮に差し込んでください。主翼との関係、垂直尾翼との関係、下反角がつけられていますので、左右そろっているか何度もいろいろな角度から見て確認してください。またエレベーターホーンの穴もピアノ線が差し込めるよう穴を少し大きくして置いてください。OKとなったらUFOの高粘度をべろにつけて再度差し込みます。その上でリンケージ用ピアノ線を左右のホーンに差し込みます。このときサーボ側のピアノ線は固定せず緩めておいてください。左右のエレベーターがあっているか水平かなどあらゆる角度から確認できたらサーボ側のピアノ線をネジで締め付けてください。また抜け止めのために細いプラスチックチューブを2mmほどに切ってピアノ線に差込、UFO高粘度で固定します。またアウターチューブの胴体出口が外れそうになっている場合がありますのでここもUFOの低粘度で固定しておいてください。

 

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この時点でやっと胴枠やエレベーターリンケージのアウターチューブを胴体に接着します。もちろんUFOの高粘度を使いました。主翼とのつなぎ目のところなども裏から手の届く範囲でがっちり接着してください。

続いて受信機RD631をマジックテープで胴体に取り付けます。それぞれのチャンネルにサーボリードを接続しますが、エルロンサーボだけは短かったので左右とも70mmの延長ケーブルを接続しました。またアンプのスイッチはアンプ側の胴枠にUFO高粘度で接着します。キャノピーの中に納まるのできれいです。キャノピーの底が当たらない位置に接着してください。なお絶対に低粘度は使わないでください、隙間から入ってスイッチが機能しなくなる場合があります。

 

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胴体下開口部からエアーインテイクをはめ込み、バッテリートレーを接着します。これもUFOの高粘度です。2枚入っていたので2枚とも接着しました。この上にマジックテープを張ります。これでとうとう完成です。写真を撮りながらでしたが2日でここまできました。

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フライトパワーEON28 3セル2550を搭載して重量を測ってみると561g!!説明書ではMAX480gとなっていますが、なんと81g超過!!ちなみにEONLITE3セル2550だとそれでも545g!!しかし330Wのパワーに期待してこれでいいでしょう。以前に同じアルファのA-4を作ったときも説明書では450g程度となっていたのに実際は600gを軽く超えていた(605g)・・・・・・にもかかわらずめちゃくちゃハイスピードで飛び、時速164kmを記録!!ラジコン技術で確か各社のEDFジェットの中で第2位に輝いた実績があります。まあ論より証拠で今回も無理押し企画を進行させることにしましょう。

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デカールを貼って完全完成、デカールは水につけてそーっと台紙ごと所定の場所に置き、デカールをやさしく抑えながら台紙を滑らせながら引き抜きます。位置をそーっと調整したらティッシュで抑えながら水を抜いてゆきます。このときティッシュを横に滑らせてはいけません、あくまでも我慢しておさえて水を抜きます。乾いたらトップコートを吹いておきます。完全に乾燥すると触ってもデカールがはがれなくなります。

ところでバッテリーを搭載すると重心位置がかなり前です。所定の重心位置(胴体下にマークされています)だとかなり前重です。テールヘビーよりよっぽどいいですがテイクオフや着陸のときに大丈夫かなとちょっと心配。しかしこれもやってみなきゃわかりません。初飛行をお楽しみに!!